人生には8つの「心の成長期」がある?エリクソンに学ぶ、生きづらさを解消するヒント

こんにちは
カウンセリングサービスのなかやしのぶです。


神戸メンタルサービスで、オンラインの心理学講座を担当しています。

今回は、その講座『プロセスという考え方』の一部をご紹介します。

目次

プロセスとは?心が成長する心理学の考え方

プロセスとは、目標を達成するための過程や工程、方法のことです。

私たちは、いつだってプロセスの途中にいます。
仕事でも、恋愛でも、人との関わりも、意識していなくても何かに向けて進んでいます。

生まれてから死ぬまで、生きることそのものがプロセスだと言えるでしょう。

新しい何かに出会い、成長していく中で、失敗は避けられません。

でも、その失敗こそ、私たちを前に進ませてくれる大切なプロセスなのです。

では、なぜ私たちは、「まだ途中」なのに、自分を責めてしまうのでしょうか?

そんな「プロセスの意味」について、考えてみましょう。

前回は、欲求のプロセスでしたが、今回は、人の一生を8段階に分けて考える発達のプロセスについて説明します。

エリクソンの発達段階|心は8つのプロセスを経て成長する

『エリクソンの発達段階論』をご存知でしょうか?

人は発達し、成長していく生き物ですが、その発達や成長には、8つの課題があるといいます。

そして、一つひとつの課題を乗り越えることで、次の成長へと進んでいきます。

その課題に向き合う中には、必ず葛藤や危機があり、それを乗り越えることで得られる成長があるのです。

私たちは、赤ちゃんから子供になり、子供から大人になり、というように年を重ねていきますが、身体が成長していくように、心もまた、段階を経て育っていくものです。

しかし、心の成長は、身体が大きくなっていく、年齢が上がっていくのと同時に、順調に成長するとは限りません。

また、身体は年齢とともに老いていきますが、心は何歳になっても成長し続けることができます。

そして、その心の成長は、8つの段階があると言われているのです。

人間の一生もまた、プロセスなのです。

乳児期|基本的信頼を育む

一番初めの段階は、乳児期です。

生まれてからおよそ1歳半ごろまでの時期の心の課題は、基本的信頼です。

自分は愛されているのか、この世界は安心できる場所なのか、人を信じても大丈夫なのか。
言葉ではなく、抱っこされた感覚や、声のトーン、世話をしてもらう体験を通して、心に安心を積み重ねていきます。

不快があれば泣いたり、不安があればぐずったりと、赤ちゃんなりに葛藤も危機も感じながら、人を信じる心を育てていきます。

この基本的信頼が育つと、希望を得ると言われています。

そして新たな課題がやってくるのです。

幼児期|自律性を育む

二番目の段階は、幼児期です。

1歳半ごろから3歳ごろにかけて、自律性を育む時期に入ります。

「自分でやりたい」「自分で決めたい」そうした気持ちが芽生え、失敗しながらも、自分の意思を試していきます。

この時期に失敗しても受け入れてもらえる経験を重ねることで、自分を信じる力が育っていきます。

失敗という葛藤や危機を乗り越え、自律性が育つと、意思を得ると言われています。

そしてまた、次の課題がやってくるのです。

幼児期後期|積極性を育む

三番目の段階は、幼児期後期です。

3歳ごろから6歳ごろにかけて、積極性を育みます。

好奇心や冒険心、やってみたい気持ちがどんどん外に向かっていきます。

そうやって行動した結果、うまくいかないこともありますが、その思いを理解してもらえることで、自分から動くという力が育っていきます。

ここでも上手くいかない様々な葛藤や危機を乗り越え、積極性が育ち、目的を得ると言われています。

そしてまた、次の課題に進んでいくのです。

ここまでの0〜6歳ごろの三段階は、「心の土台」を作る、とても大事な時期だと言われています。

大人になって、生きづらさを感じている人の多くは、ここまでのどこかに痛みを抱えていることが少なくないようです。

学童期|勤勉性を育む

四番目の段階は、学童期です。

6歳ごろから12歳ごろには、勤勉性を育みます。

学校生活や集団の中で、努力すること、取り組むに挑みながら、人の役に立つ経験を通して、「自分にもできることがある」という感覚を育てていきます。

小学生であるこの時期は、社会で関わって生きていくために必要な、勤勉性を学ぶために、衝動をコントロールしたり、自発的に、積極的に行動することに取り組んでいきます。

この時期には、人と比べ、比べられ劣等感、嫉妬、無価値感という、苦しい葛藤や危機に出会いますが、それを乗り越えながら、有能感を得ることができます。

そして次の課題へと進みます。

青年期|アイデンティティを育む

五番目の段階は、青年期です。

10代の思春期には、アイデンティティ(自我同一性)を確立していきます。

「自分は何者なのか」「どんな価値観を持っているのか」「どんな人生を生きたいのか」と、迷いながら、揺れながら、自分らしさを探していく時期です。

反抗期、体の変化も相まって、悩みが尽きないのが青年期です。
他人との違いに、常に混乱という葛藤や危機と向き合いながら成長していきます。

アイデンティティを確立すれば、誠実さを得ることができます。

そして、大人の段階・課題へと進んでいくのです。

また、ここまでは、大人になるまでの子どもの時代、一人前に育つまで。

まとめて、「愛され方」「愛されること」を、学び成長し続けた時期であり、これ以降の段階は、大人として、「愛し方」「愛すること」を学んでいく時期にはいっていきます。

成人期|親密性を育む

六番目の段階は、成人期です。

20歳から40歳ごろは、恋愛し、結婚し、子供を持つ世代ですが、この段階では、親密性を育んでいきます。

恋愛や結婚、深い人間関係を通して、人と本当の意味で繋がれるかどうかが問われます。

愛すること、信頼することを、傷つきながらも関係を築いていくプロセスです。

自分を知ってもらうこと、相手をより知っていくこと、そして愛することに葛藤して向き合っていきますが、親密になるたびに、愛を知ることができるのです。

もし、それまでの課題が十分に満たされていないと、成人期ではこんな生きづらさとして現れることがあります。

自律性、自発性、積極性が育まれていなければ、自分の衝動をコントロールしたり、自分から愛することに積極的になれないことが起きやすい、

勤勉性が育まれていなければ、劣等感や無価値観に苛まれて、相手の愛を受け取れないことが起きやすい、

自分が確立されていなければ、相手に振り回されてしまうことが起きやすいと言えるでしょう。

壮年期|生産性を育む

七番目の段階は、壮年期です。

40歳を過ぎ、65歳くらいまでは、生産性を育みます。

自分が育っていくことではなく、次の世代を育てること、社会や誰かの役に立つこと、自分の人生で培ってきたものを、外へと手放していくことが求められます。

負けてしまう、必要とされなくなったという葛藤や危機を感じて抗うこともありますが、ここで、生産性を育むことができると、世話をする力を得て、最後の段階へと進んでいくことができます。

老年期|統合性を育む

最後の段階は、老年期です。

65歳以降は、総合性の段階に入ります。

これまでの自分の生き方、人生を振り返り、良かったこと、上手くいかなかったことも含めて、受け入れていきます。

自分の人生に対して、矛盾がないということ、行動と気持ちが一致している、無理がなく、落ち着き、安定できている、そんな状態になっていくのです。

そして、総合性を手に入れることで、これまでの経験から、持って入る知識を活かす英知を手に入れることができると言われています。

このように、心は一生を通して、8つのプロセスを辿り成長し続けるのです。

そして、どの段階も、一足飛びに進むことはできません。

年齢問わず、課題をクリアするように現実がやってきます。

プロセスの途中で不安になる理

そもそも、人生には、心が発達するプロセスがあるのだと知らないから、私たちは不安になるのです。

あるいは、プロセスを知っていても、自分がどの段階にいるのかがわからなくなってしまうから、焦ってしまうのです。

そして私たちは、すぐに、年齢や周りと比べて、自分を評価するから、「もう大人なのに」「年齢的に、できていないのはおかしい」「みんなは、上手くやれているのに」と、悩み過ぎてしまうわけです。

発達のプロセスを知ると、悩みの見え方が変わる

例えば、「恋人ができない」「結婚できない」「恋人とうまくいかない」「恋愛に依存的になり過ぎてしまう」と焦りを感じ、自分を責めるようなことがあった場合、
発達のプロセスという視点があるだけで、上手くいかない原因を知り、何に取り組めばいいのかが見えてくることがあります。

一瞬で悩みを解決できるわけではないし、原因に対しての怒りや痛み、葛藤を感じることがあるかもしれませんが、プロセスを進め、成長していくきっかけにすることができるでしょう。

この例えで言えば、まず、どんな不安があるのか、どんな苦しみを感じているのかを、人に話し聞いてもらうこと。
つまり、基本的信頼を満たすことです。

その次に、「こうしたい」という自分の思いを感じること、そして実行すること、そしてそれを応援し見守ってもらいながら、自立性を育んでいく。

そして、また次の段階へと、まずは、周りの応援を得ながら、愛されることをしっかりと学んでいくことで、人を愛すること、上手に愛せる自分に成長し、変化していけるでしょう。

プロセスを信頼するということ

プロセスを信頼するというのは、不安にならないことでも、悩まないことでもありません。

苦しまないようにする、早く答えを出す、何も感じないようにするということでもないのです。
プロセスを信頼するとは、「今の自分は、この段階を生きているのだ」と理解し、その自分を否定しないことだと、私は思っています。

もし今、立ち止まっているように感じるなら、それは遅れているのではなく、今向き合う必要のある課題が、そこにあるだけかもしれません。

不安になるのは、弱いからでも、ダメだからでもありません。

ちゃんと感じているからこそ、心が成長している最中だから、不安が生まれていることもあるのです。

大切なのは、「次に進もう」と無理することではなく、今の段階で必要なことを、丁寧に、あなたのペースで満たしていくことです。

疲れているなら、休んでください。

不安なら、誰かに話してください。

自分の気持ちがわからないなら、無理に答えを出さなくても大丈夫です。

立ち止まる時間も、プロセスの大切な一部なのです。

安心すること、信頼すること、受け入れてもらうこと、そうした体験は、何歳からでも、心を育て直してくれます。

人生は、いつだって、何度だって、やり直すことができるのです。

焦らなくても大丈夫。

今いる場所にも意味があります。

あなたのスピードで、あなたのペースで、心のプロセスを歩んでいる自分を、どうか信頼してあげてくださいね。

\ 愛と癒しの視点で紐解く/
カウンセリングをあなたへ


どんな悩みも、
たどっていくとその根底には、
「自分は愛されない」という思い込みが
隠れていることがあります。

多くの方の悩みをお聴きしてきましたが、
どんな問題も、
紐解いていくと最後に行き着くのは、

「自分は愛されない」の裏側にある、
「誰よりも愛したかった」
「もっと上手に愛したかった」
という、
切ないほどの「愛したい」思いでした。


そして、
その切なくて大きな
「愛したい」という思いに気づき、
そっと受け取ることができたとき、

心は、
「愛されない」
という呪いから解放されます。


それを私は、
「癒し」と呼んでいます。


もう、ひとりで悩まないでください。

もう、ひとりで頑張らないでください。

「愛されない」が作り出す、
苦しい現実をおしまいにしませんか?

自分らしく輝く毎日を、取り戻しませんか?


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