こんにちは
カウンセリングサービスのなかやしのぶです。
神戸メンタルサービスで、オンラインの心理学講座を担当しています。
今回は、その講座『プロセスという考え方』の内容を、一部ご紹介します。
プロセスとは?心が成長する心理学の考え方
プロセスとは、目標を達成するための過程や工程、方法のことです。
私たちは、いつだってプロセスの途中にいます。
仕事でも、恋愛でも、人との関わりも、意識していなくても何かに向けて進んでいます。
生まれてから死ぬまで、生きることそのものがプロセスだと言えるでしょう。
新しい何かに出会い、成長していく中で、失敗は避けられません。
でも、その失敗こそ、私たちを前に進ませてくれる大切なプロセスなのです。
ではなぜ、人との関係での中で、私たちはこんなにも悩み、苦しくなってしまうのでしょうか?
前々回は、欲求のプロセス、前回は、発達段階のプロセスでしたが、今回は、依存・自立・相互依存という、心の成長のプロセスから考えてみたいと思います。
依存・自立・相互依存という、心の成長プロセス
私たちは、依存の時代から始まり、自立の時代へと移行し、そして相互依存へと進んでいきます。
これは、人間関係において、とても自然な心の成長の流れです。
スタートは、依存から
プロセスのスタートは、依存からはじまります。
「ママがやって」「彼にやってもらう」「上司や先輩がやってくれるのが当たり前」と、自分ではできないから、相手にしてもらう、この感覚こそ依存です。
誰もが、最初は何もできません。
だからこそ、愛してもらう、お世話をしてもらう、大切にされるという、いろんな愛され方を経験することが、私たちには必要で、それがスタートでなければならないのです。
発達の段階というプロセスでもあったように、心の土台である、「人は人に頼っていい」という感覚を心に刻んでいきます。
依存のステージは、愛されることを学ぶ、とても大切な時期です。
決して、弱さではないのです。
愛されるを学んだら、自立へ
依存の次にやってくるのは、自立です。
「自分でやる」「誰にも頼らない」「一人で頑張る」と、自分のやり方で生きる、自分の力で立つ、自分の考えや価値観を大切にしたくなるのが、自立のステージの特徴です。
はじめこそ、自分でできることに、自由や達成感を感じやすいですが、
自分のやり方と他者のやり方で衝突が起きたり、自分一人で頑張ることに限界を感じたりと、孤独や虚しさ、行き詰まりを感じやすくなります。
他者との対立に苦しみながら、この行き詰まりを、乗り越えられないまま一生を終える人もいます。
この先があるのだと、信じられない人も少なくないのです。
この先に進むためには、依存の時代に受け取った愛を思い出し、自分から愛することを学ぶ必要があります。
「思うように愛してもらえなかった」という依存時代からの痛みを癒す、「もう傷つきたくない」と、自分のやり方にこだわることを手放すことを学ぶ、それが、自立の本当の意味なのです。
自立は、愛することを学ぶ、とても大切なステージです。
愛される、愛するを学んだ先、相互依存の世界
自立の学びを終えると、次に相互依存がやってきます。
依存、自立で学んできたように、人は一人では生きられません。
人は、完璧ではないのです。
自分や相手のできないこと、苦手なことを受け入れ、他者と補い合う、そんな関係を築く、誰かと共に生きる世界が、相互依存です。
依存で愛されるを知り、自立で愛するを学ぶ、その「愛される力」と「愛する力」を十分につかって愛し合うのが、相互依存のステージです。
被害者と加害者、そして無害者
また、依存のステージでは、相手にしてもらうばかりで、思い通りにならない場合、相手にされたと、やられたと被害者意識を持ちます。
自立のステージでは、相手を当てにしない、相手と衝突することが起きるため、相手に酷いことをしたのは自分だと、加害者意識を持ちます。
相互依存のステージでは、お互いの長所や短所を受け入れるので、被害者でも加害者でもない、お互い無害であるという意識を持ちます。
無害者という意識は、「私も悪くないし、あなたも悪くない」という安心感につながります。
相手にも自分にも愛を感じられる、とても心地よいステージなのです。
プロセスの途中で、なぜ不安になるのか?
私たちが、人間関係で感じる不安や苦しさは、プロセスの存在を知らないから、あるいは、プロセスのどこにいるのかがわからないからです。
そもそも、人はそれぞれ違うものです。見た目も価値観も違うのが、私たちというものです。
しかし、それを受け入れることができないと、誰かが悪い、自分が悪かった、そうやって善悪、正解不正解で、判断するしかなくなります。
でもそんな判断は、苦しみを生み出してしまうのです。
例えば、「恋人が、思うように愛してくれない」「パートナーが、私がやることを否定する」と不安や怒りを感じ、関係性が悪くなるような場合、
依存・自立・相互依存のプロセスという視点があるだけで、うまくいかない原因を知り、何に取り組めばいいのかが見えてくることがあります。
パートナーに愛される自分になること、パートナーを愛する自分になること、そのどちらも二人で進んでいるのだという感覚は、先に進む力になるでしょう。
また、プロセスを知ることで、「まだ先がある」と思えれば、たとえ今が苦しかったとしても、微かでも希望を持てるのではないでしょうか?
プロセスは完璧にできている
プロセスを信頼するというのは、悩まないことでも、苦しまないことでもありません。
今の自分は、「このステージにいるのか」と理解し、その自分を、苦しみも含めて否定しないことです。
依存してしまう自分も、傷ついてしまう自分も、一人で頑張り過ぎてしまう自分も、自分のやり方にこだわって他者と衝突してしまう自分も、どんな自分も責める必要はありません。
どんな自分だって、成長しているのだと理解すればいいのです。
今、立ち止まっていると感じるなら、それは向き合うべき課題が、そこにあるだけです。
プロセスは、何度でもやり直せます。
それに、一足飛びには先に進むことはできませんから、今いる場所からしか、次のステージには進めません。
どうか、あなたのスピードで、あなたのペースで、心のプロセスを進んでいる自分を信頼してあげてください。
あなたがどんなに苦しいときでも、プロセスには必ずその先があります。
焦らなくても大丈夫。あなたのペースで、一歩ずつ進んでいけばいいのです。

