こんにちは
カウンセリングサービスのなかやしのぶです。
私は、息子や娘が小さなころ、お話を作ってあげていました。
私の作るお話に、息子が絵を描いて、絵本に仕立てていました。
その手作り絵本を、息子や娘のお友だちにも、しょっちゅうプレゼントしたりもしました。
子どもたちは、どの子もみんな、
自分のための物語、自分の名前が出てくるお話をとても喜びました。
最近は、小さな子どもとの触れ合うことも少なくなりましたが、
私は、子どものそういう反応を見るのが大好きです。
もう、息子も娘も大きくなったので、物語を作ってあげるなんてことはしませんけれど、
今回は以前作った、夏らしい花火のお話を、みなさんにもプレゼントしたいと思います。
おにのはなび

くもの うえに おにの せかいが あるのを しっていますか?
これは おにの たろうの おはなしです。
たろうは さむい きせつには はなびを つくっています。
はなびの もとの くすりを みずと まぜます。
グルグル グルグルと 大きなスプーンで かきまぜては かわかします。
まいにち かきまぜたり かわかしたりの くりかえしです。
あかや みどりや きんいろの おおきな まんまるの うちあげはなびを つくっているのです。

あたたかくなると ボールに かわかした はなびの もとを つめます。
ぎゅうぎゅうに はなびの もとを つめたら ひを つける ひもを ボールに さしこみます。
そうして はるの おわりごろには たろうの はなびは かんせいするのです。
たろうは はなびが できあがると はやく はなびを あげたくって
あさだって よるだって かんけいなく はなびに ひを つけるのです。

たろうは ひを つけるまえに かならず はなびボールを ゴロゴロと ころがします。
「どうか まあるい はなびが あがりますように・・・」そう となえながら。
じつは たろうの はなびは まあるく あがったことが ありません。
きょうこそはと はなびの ひもに ひを つけました。
ピカッと ひかりました。
「また しっぱいだぁ」
たろうは おおつぶの なみだを ながして おおなきしました。
ても あしも バタバタさせて ないたので はなびボールを おとしてしまいました。
たろうの はなびは かみなりに なりました。
おおつぶの なみだは おおあまつぶに、
おとした はなびボールは きに ぶつかって もえました。

むかしむかしから おにの はなびは かみなりにしか なりません。
たろうは それを しらずに コツコツと はなびを つくりつづけています。
それを みていた おひさまは たろうを かわいそうに おもました。
たろうが おおなきすると やさしく たろうを てらしてあげました。
たろうの なみだと おひさまの やさしい ひかりで うつくしい にじが できました。
なないろの にじを ながめると たろうは げんきが でました。

なつに なると たろうは よるの うちあげはなびが たのしみに なります。
おおきくて まあるい はなびが あがると たいこを たたいて よろこびます。
たろうの なかまの おにたちも あわせて パチパチと てを たたきます。
うひあげはなびの あがるそらを みあげると ドーン パチパチパチと おとがするのは そのためです。
たろうは なつのあいだ つくった はなび ぜんぶに
「まあるくあがるかな」と ひをつけます。
もちろん そのたびに おおなき するのですけれど。
たろうの はなびが なくなると さむい きせつの はじまりです。
おしまい。
*
あなたが、優しい思い出とともにありますように。
あなたが、心穏やかでいられますように。
最後まで読んでくださってありがとうございました。

