こんにちは、
カウンセリングサービスのなかやしのぶです。
90歳になる夫のおじさんの家での話しです。
おじさんとお茶を飲みながら、夫が私や子供たちに聞かせるようにこう言いました。
「小学生のころ、よくおじちゃんと家の前でキャッチボールしたんだよ。おじちゃんは腰が痛いって言うんだけど、キャッチャーやってって言ってしゃがませてさ。でもボールはグローブに向かって投げられなくて、遠くに飛んで行っちゃって、それを腰が痛いおじちゃんが取りにいくんだよね。おじちゃん、やさしいよね」と。
耳の遠いおじさんに、夫の声は届いていないだろうなと思いながら聞いていたら、おじさんは微笑んでうなずきながら、「よくやったよな」「あの頃はあそこの家はなかったんだよな」「あの写真どこいったかな」と返事をしました。
他愛ない何気ない会話に、あたたかくて穏やかな空気が流れました。
私は夫から、このキャッチボールの話しを今までに何度も聞いたことがありました。
子供が、絶対に怒られないとわかっていて、腰が痛くてもキャッチャーをせがむ姿を想像すると、思わず微笑んでしまいます。
そんな風に夫が愛されていたこと、愛されていると信じていたことが嬉しいなと思っていました。
私は、愛でしかないこの話しを聞くのが大好きでした。
最近おばさんを亡くして、おじさんは一人になりました。
それでもおじさんは、悲しみや寂しさを表に出すことはありません。
ただ「来てくれてありがとうな」と笑顔で言うだけです。
そんなおじさんに、この話しをそっと差し出した夫のやさしさに、私は泣きそうになりました。
夫は、おじさんに「愛しているよ」と伝えたかったのだと思います。
おじさんもまた、「わかっているよ」と答えたのだと思います。
私は、こんな素敵な夫の側に居られて幸せだなと感じました。
思い出は愛を伝えてくれる
「ありがとう」や「愛している」と言葉にするのは、少し照れくさいものです。
だけど、一緒に笑った思い出や、大切にしてきた出来事を語り合うことなら、もう少し気楽にできるかもしれません。
そんなあたたかい過去を語りかけるのも、愛を伝える一つの方法です。
思い出には、その頃の優しさや温もりがそのまま残っています。
だから思い出を語るだけで、相手の心が、お互いの心が、温かく満たされることがあるのです。
*
あなたが、あなたらしい愛を差し出せますように。
あなたらしい愛が、相手の心をあたためますように。
最後まで読んでくださりありがとうございました。

